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    レカネマブ治療について
認知症とレカネマブ治療に関する動画を作成しました。
1.?レカネマブ治療を希望される患者さんをご紹介いただく医療機関の皆様へ
レカネマブはアルツハイマー型認知症の進行遅延作用が示された薬剤です。本剤の使用に関しては厚生労働省から「最適使用推進ガイドライン」が発出されており、それに基づいて検査、治療を実施することになります。
レカネマブ治療の対象となる方は以下の1~4の内容をすべて満たす方となります。
- 認知機能の低下の理由がアルツハイマー病である方
 - 認知機能低下はあるが軽度認知障害の方
MMSE22点以上あり、CDRの全般スコアが0.5あるいは1 - MRI検査で以下の所見がない方
認知機能低下を説明できるような多発性脳梗塞
禁忌事項に指定されている所見
- 血管原性脳浮腫
 - 5個以上の脳微小出血
 - 脳表ヘモジデリン沈着症
 - 1cmを超える脳出血の痕跡
 
 - 上記1~3を満たすことを確認した上で、アミロイドPETまたは脳脊髄液(CSF) 検査を実施し、Aβ病理を示唆する所見が確認されている方
 
ご紹介の際には、レカネマブ治療の対象について、ご理解をいただきますとともに、すべての紹介されました患者さんが治療対象となるわけでない旨の説明をお願いいたします。
2. レカネマブ投与までの流れ
※レカネマブ投与にあたっては認知症疾患医療センターを受診し、検査や診察を受け、治療対象であるか判断させていただく必要があります。
※治療開始までに複数回の受診が必要となりますのでご了承ください。
かかりつけ医療機関
- 完全予約制ですので、予約外の診察はお受けできません。
 - 2024年度の外来受診日は水曜日の午後と金曜日の午前になっております。
 

初回診察
- 診察時には家族や支援者などの日常生活状況を知る方の同行が必須です。
 - 認知機能検査(MMSEなど)
 - 問診(日常生活状況、患者の行動観察)
 - 血液検査などの医師が必要と判断した諸検査
 - 医師の診察
 - ※早期アルツハイマー型認知症か否かを検討→追加検査オーダー
 

検査受診
- 脳MRI検査
 - 必要時CDR検査(必ず家族または支援者の同行が必要です)
 

再診
- 検査結果の確認
 - ※臨床診断確認、検査結果説明、追加検査の説明及び患者家族の意思確認と同意→追加検査オーダー
 

検査受診
- アミロイドPET検査または脳脊髄液(CSF)検査の実施。
 

再診
- β-アミロイド(アルツハイマー病)の確認。
 

再診
- 専門医による薬剤投与前診察及び投与に関する説明、同意取得。
 - 入院予約
 - ※初回レカネマブ投与のみ入院し実施。
 

初回投与後スケジュール
- ※「最適使用推進ガイドライン」に基づいて治療?検査は随時実施します。
 - 基本的に外来で2週間に1回1時間かけてレカネマブ投与。
 - 5?7?14回目のレカネマブ投与前にMRI撮影(必須)。
 - 「最適使用推進ガイドライン」に基づいて治療継続可能であるか判断し実施。
 - レカネマブ投与は原則18か月まで。
 - 初回投与から6か月以降は「最適使用推進ガイドライン」に基づいた治療ができる医療施設であれば実施病院を変更することが可能。