KKU ICEM 2024 体験記

KKU ICEM 2024 体験記

和歌山県立医科大学 5年 小倉楓

この度、国際交流活動の一環として2024年2月23日から2月27日までの5日間、タイ?コンケン大学で開催されたKKU ICEM 2024に参加させていただきました。

KKU ICEMとはKhon Kaen University International Competition of Emergency Medicineの略称であり、コンケン大学の学生が主体となって開催する救急医学に特化したコンペティションと文化交流を行うものです。以下にまず簡単なスケジュールを記し、その後、具体的な内容や感想等を述べていきたいと思います。

2月23日 夕方からオープニングセレモニー

2月24日   午前:救急医学に関する実習 午後:観光 夜:パーティー

2月25日 午前:MAQ Round 午後:MEQ & SAQ Round 夜:Arcade Game Night

2月26日 午前:Semi Final Round 午後:外傷に関する実習 夜:Night Market

2月27日 午前:Final Round 午後:表彰式/閉会式 夜:Farewell Party

1日目(2月23日)

オープニングセレモニーでは、夕食を食べながら開会のあいさつを聞いたり、コンケン大学の学生の楽器の演奏やダンスを鑑賞したりしました。夕食の座席は基本的には参加するグループごとでしたが、その中に数名コンケン大学の学生が一緒に入って談笑するという形をとっており、ここから基本的に英語でのコミュニケーションがスタートします。

2日目(2月24日)

午前中は救急医学に関する実習でした。和医大でいうスキルスシュミレーションセンターのようなところで、挿管実習、鼻出血への対応、ACLS、胸部X線の読影の講義、また隙間時間でレクリエーションとして医学英単語の並び替えゲームなどを行いました。どのセクションでも先生や学生の皆さんが丁寧に教えてくださるので心配しなくても大丈夫です。

午後はコンケンの観光でした。今回和医大から行ったメンバーは全員、寺の観光とタイマッサージのツアーを申し込みました。寺の観光ではタイの仏教の文化を、身をもって体感することができ、タイマッサージではタイまでの長旅の疲れを癒すことができました。

夜は夕食を食べながらのパーティーでした。ここでは色々な国の有志のチームが出し物をしました。日本から参加した筑波大チームは2人羽織、和医大チーム筑波大チーム合同で、盆踊りをしながら日本のお菓子をばらまくということをしました。衣装として日本チームは甚兵衛や浴衣を着ていきました。これが結構海外の人にうけて、多くの人たちから写真の撮影を求められました。持って行ってよかったです。

3日目(2月25日)

この日はここまでとうって変わって、1日テストです。

まず午前中はMAQ Roundです。このRoundでは救急医学に関する問題をパソコンで180分120問解くというものです。イメージはCBTです。

午後からはMEQ & SEQ Roundです。MEQ Roundでは救急医学に関する1つのシナリオが用意されており、それについて連問を筆記で解答していくという形です。イメージはCBTの4連問の記述版と考えてください。SEQ Roundでは各Stationに問題が約20問用意されており、そのStationを回りながら1問1答を英語でしていくというものです。

この3つのRoundの合計点数で個人賞やチームとして準決勝に上がれるかが決まります。

対策としては、日ごろの日本での医学の勉強はもちろん、医学英単語や、実臨床レベルでの救急医学の知識が必要なのではないかと感じました。

夜はArcade Game Nightです。これはコンケン大学の学生が学内にお祭りの屋台を用意してくれ、ダーツやボーリング、輪投げなどのゲームをしながら交流を深めるというものです。食事も出店のような形で何種類か用意してくれており、各自そこからいただくというものでした。ここで準決勝進出チームの発表も行われました。

4日目(2月26日)

午前中は準決勝が行われました。この時間は予選敗退したチームは基本フリータイムとなります。(どこか出かけるもよし、準決勝を見学するもよし)準決勝では出場チームは舞台の上に上がり、提示された問題に対して解答していくというものでした。問題のほとんどは救急医学の実臨床の問題でした。

午後は外傷に関する実習でした。胸腔ドレーンを入れる実習、豚皮を用いた縫合実習、FAST、ターニケット実習を行いました。また隙間時間に簡単なゲームや自分の夢について発表するイベントなどもありました。

夜は、現地のナイトマーケットに連れて行ってもらいました。街中では英語は通じないので現地の学生が世話役として引率してくれ、おすすめを教えてくれたり、注文してくれたり、一緒に遊んだりしました。

5日目(2月27日)

午前中は決勝でした。前日と同じくこの時間はフリータイムです。決勝では模擬患者さんがいるERの初療室にチームメンバー3人が入れられ、搬送されて以降からすべてのこと(治療、検査、コンサルトなど)を行うというものでした。

それが終わると閉会式が行われ、表彰や閉会のあいさつが行われました。

夜はFarewell Partyでした。ここでも甚兵衛や浴衣を着ていきました。食事はバイキング形式でした。ここではわりかしラフな雰囲気でダンスや楽器を演奏したり、有志が歌ったりしていました。日本人ではあいみょんの弾き語りをした子やYOASOBIのアイドルを歌ったりしたひとがいました。またここで仲良くなったメンバーたちにメッセージレターを書いたりすることもできました。

以上がKKU ICEMの内容となります。期間を通じて思ったことを書いて終わりにしたいと思います。

まず海外の学生のレベルについて、みんな英語が流暢で、かつ医学知識もレベルが全く違うなと感じました。このイベントに参加して、さらに医学、英語の両方を高めていかなければいけないなぁと感じました。

テスト面について、正直勝ち上がっていくことはなかなかハードルが高いなと感じました。海外の学生は日本の学生と違い圧倒的な現場経験があり、またお作法も日本とは異なる部分も多々あるため、なかなか難しいものだと感じました。

生活面について、移動はすべてICEM側がバスを手配してくれているので、その指示を仰げばOKです。食事についても、いやというほどでてきます。ほんとに1日5食とかそのレベルで出てきます。好き嫌いが無ければ食事には困りません。水も買わなくてもいいくらいくれます。その他生活に必要なものは大体現地のセブンイレブンで購入できます、日本のコンビニより品揃えがいいくらいです。宿泊場所から15分ほどタクシーに乗るとセントラルプラザという日本でいうイオンのようなショッピングセンターがありますので、お土産や両替など、必要なことはここで全て事足ります。

ここまで色々書いてきましたが、まだまだ詳しく伝えたいことがありますので、もし参加したい、興味がある、という方がいましたら今回参加したメンバーにお気軽にご連絡ください。

最後になりましたが、今回このような貴重な経験をさせていただけたことに心より感謝申し上げます。国際交流センターの林さん、引率をしてくださった救急集中治療部の知野先生、ICEMの運営や参加者のサポートをしてくださったコンケン大学の学生など、お世話になった多くの皆様、本当にありがとうございました。

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